●元気が出るアイテム

昨年私は「Favorite Music」などというタイトルでコンテンツをスタートさせました。
しかしそれは、大仰なスタートにもかかわらず、たった2回でストップしてしまいました(^ ^ ;;;
言い訳はしません。(できるわけが無い!)
が、やはり大上段に(大冗談ではなく・・・)構えすぎたかなと、後悔しております。
今回はもっと肩の力を抜いて、形に捕らわれず、気楽に書いて行きたいと思います。

記念すべき(そうかぁ?)第1回のタイトルは「元気が出るアイテム」です。

昨年の今ごろ、私は体調を壊していて、いわゆる「鬱症状」に悩まされていました。
原因不明の「鬱」というのはやっかいなものらしいですが、私の場合は原因がわかっていたことと、元来の性格で、焦っていたり落ち込んでいたり、激しく心が動揺している自分をわりと冷静に見つめている自分がいるという「二面的な性格」のためか、落ち着いて自分の「鬱」と向かい合うことができました。 まぁ、のんきな「鬱」でした。(いやいや、本当は、けっこうきつかったんですよ!笑)

で、そんなとき、なんとか自分の気持ちを上方修正しようとして色々な方法を試したのですが、その中で聴いたアルバムが竹内まりやの「Longtime Favorites 」でした。

竹内まりやは、「不思議なピーチパイ」や「リンダ」などの頃から聴いてはいたのですが、アルバムを買ったのはレコード時代を含めて初めてです。
このアルバムはオールディーズ、60年代ポップスを竹内まりやがカヴァーしているアルバムです。CMにも何曲か使われていたので、皆さんも聴いたことがあるかも知れません。
もともと竹内まりやという人は日本のニューミュージックというよりもアメリカンなポップスが似合う人だなぁと思っていたのですが、その思いがずばりハマったのがこのアルバムです。「悲しき片思い」「ジョニーエンジェル」など、リアルタイムよりも映画『アメリカン・グラフィティー』で、リバイバル・オールディーズブームを経験した私には、かなり懐かしい楽曲が揃っています。中でも「砂に消えた涙」などは感涙物です!
また、このアルバムには60年代ポップスだけではなく「いそしぎ」「この世の果てまで」などのスタンダードナンバーも取り上げられていて、これもなかなか良い味を出しています。

このアルバムには、本当に何度も、何度も元気づけられ、朝から晩まで一日中聴いていましたし、今でもちょっと凹んだことがあると聴いています。

 

そしてもう一つの「元気が出るアイテム」は、私がいま最も好きな作家、浅田次郎氏の「プリズンホテル(夏・秋・冬・春)」です。

本当に浅田次郎という人は文章を作る天才ではないかと思います。
でも、決して近づきがたい天才ではなく、そのへんの安酒場で飲んでいそうな雰囲気もあります。
たぶんこのコンテンツの中でも何度も取り上げることになるだろう浅田氏の作品集ですが、なんと言っても肩肘張らずに読める作品の代表が、この「プリズンホテル・シリーズ」でしょう。
以前テレビドラマで放送されたそうですが、その時は知りませんでした。
浅田氏の作品で、初めて読んだのは「薔薇盗人」という文庫の短編集だったのですが、その嫌味のない独特の文章、軽い語り口なのに決して浅薄ではない読後感に惹かれ、「プリズンホテル・シリーズ(夏)」に出会ったのですが、これはもう「薔薇盗人」と同じ作者が書いた物なのか?と疑うような、奇想天外な設定、軽妙でスピード感があり、まるでディズニーランドの中のアトラクションに全て乗ってしまったような満足感!しかもエンターテインメントでありながら、人情話があり、ホロッと泣かせる味があり、その涙の爽快感・・・・・!とにかく語り尽くせない「面白さ」があり、「夏」を読み終わった後、すぐに続けて「秋・冬・春」と一気にはまって行きました。
しかも全巻読み終えてもまた始めから読みたくなり、その後も何度となく読んだ作品です。

先にも書きましたが、軽い「鬱」だった私は、当時「集中力」というものが全く無く、好きな本も2〜3行読むと、続けて読めなくなる状態でした。しかも、下手に小難しい作品などを読むと、変な意味で作品の中に入ってしまい、ろくな事を考えません。
でも、この「プリズンホテル・シリーズ」だけは、集中して読めましたし(と言うか、引きずられるように読みました)、まぁ、読んでいただければわかるのですが、思考がマイナス方向に行かない、読み終わった後に、気持ちがプラス方向に向かっていくような作品でした。

ここから浅田氏の作品にのめり込んでゆき、感動的な大作にも出会うのですが、私にとって浅田作品の原点は、この「プリズンホテル・シリーズ」です。

まだ読んでいない方は、騙されたと思って(?)読んで下さい。
他の浅田氏の作品を知っている方も、知らない方も、気持ちよく騙されますよ!(笑)

 

 

30/MAR/2005

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